【レポート】『OITA CREATIVE CROSSING DAY2025』2.27

大分県内の中小企業とクリエイターが手を取り合い、新たなビジネスの価値創造に取り組むOITA CREATIVE CROSSING。2026年2月27日に、その1年間の集大成となるイベント「OITA CREATIVE CROSSING DAY」を開催いたしました。
「変化が激しい今の時代だからこそ、商品開発やブランドづくりにクリエイターの視点を取り入れる」。そんな大分県独自の取り組みの様子を、当日のプログラムに沿ってレポートします。
「おおいたクリエイティブクロッシング」とは?
本イベントの核となる「おおいたクリエイティブクロッシング」は、大分県内の企業とクリエイターをつなぎ、協働によって新たな価値と変化を生み出すことを目的としたプロジェクトです。
今年度は、以下の3つの施策を柱として展開されています。
クロスセミナー: 支援機関やクリエイターが経営的視点を学ぶ場。
マッチングイベント: 企業とクリエイターが実際に出会い、課題を共有する場。
新価値創出支援補助金: マッチングしたペアの挑戦を資金面でバックアップ。

今年度は延べ約100名が参加し、11組の新たな協働が誕生しました。
基調講演:小さな企業の「顔作り」と伴走力
イベントの幕開けを飾ったのは、有限会社セメントプロデュースデザイン代表の金谷勉氏による基調講演です。テーマは「地域を支える小さな企業の顔作りと、クリエイターのこれからの伴走力」。
金谷氏は、全国各地の町工場や職人と1,000社以上の協働プロジェクトを手掛けてきた、地域産業活性化の第一人者です。 「こだわっているのに、その良さが伝わっていない」という地域企業の課題に対し、デザインを単なる「見た目」ではなく、「売り方」まで含めて考える伴走パートナーとしてのクリエイターの重要性を説きました。経営不振にあえぐ町工場を立て直してきた実体験に基づく話に、会場の参加者は熱心に耳を傾けていました。

マッチング事例発表:11組の協働から見えた「新価値」
続いて、今年度の補助金を活用して実際にプロジェクトを進めてきた11社のうち、3組による事例発表と深掘りセッションが行われました。
事例①:株式会社 朝生水産 × INOSHITA DESIGN
事例②:ユリーカ合同会社 × LOCAL ART PROJECT
事例③:株式会社 くだものかふぇ × NAHO DESIGN
経営とクリエイティブの「共創」を深掘りする
事例発表のモデレーターを務めたのは、多くの産学連携や事業創出に関わる浅野高光氏です。
浅野氏は、経営者とクリエイターが「同じ方向を見る」ことの重要性を強調しました。 また、経営者が持つ「言語化・数値化された形式知」と、クリエイターが持つ「経験や勘、感性といった暗黙知」を橋渡しし、互いの問いかけのレベルを上げることが、真の「共創(Co-creation)」につながるとお話をいただきました。

クリエイターズピッチ:大分の未来を創る才能たち
県内で活躍するクリエイター3名による「ピッチリレー」が行われました。
井下 悠氏(INOSHITA DESIGN):
渡邊 隆子氏(株式会社UP):
泊 麻未氏(LOCAL ART PROJECT):
短い持ち時間の中で、自身の得意領域やこれまでの実績、そして大分の企業をどう盛り上げたいかという熱いプレゼンテーションが繰り広げられました。

大分県産業科学技術センター×クリエイターの事例
最後に、企業がクリエイティブ活用を相談できる公的機関として、大分県産業科学技術センターの事例が紹介されました。 支援員の佐藤寿喜氏と、外部アドバイザーの松野奈帆氏が登壇。佐藤氏自身がクリエイティブの現場でインターンを経験したエピソードなどを交え、県内の支援機関もまた、企業とクリエイターの良き理解者でありパートナーであるという力強いメッセージが発信されました。

最後に 遠くへ行くために、みんなで進む
「早く行きたいなら一人で行け。遠くへ行きたいならみんなで行け。」
短期的な成果なら個人でも出せますが、長期的な成功や大分県全体の産業を盛り上げるという大きな目標には、企業とクリエイター、そして支援機関の協力が不可欠です。
イベント終了後には名刺交換会が行われ、会場のあちこちで新たな出会いと対話が生まれていました。アンケートでは「繋がりたいクリエイター」を具体的に記載する欄もあり、この日をきっかけにまた新しい「クロッシング」が始まろうとしています。
大分県では次年度も引き続き、県内企業とクリエイターの協働を促進する事業を継続していく予定です。「クリエイティブで、ビジネスを加速させる時代へ」。 大分県の挑戦は、これからも続いていきます。
本イベントの開催にあたり、ご登壇いただいた金谷様、浅野様、事例発表企業&クリエイターの皆様、そしてご来場いただいた全ての皆様に深く感謝申し上げます。
